Becky Cloonan [ベッキー・クルーナン]

マンガ×オルタネイティヴ=?

Demo #21979年、イタリア生まれ。子どものころ米国へ移住し、ボストン近郊の町、ニューハンプシャー州メリマックで少女時代を送る。コミックに関心を持ったきっかけは、就寝時に父親が読み聞かせてくれた「Fantastic Four」と「Silver Surffer」(ありがとう、パパ)。10代なかばから日本のマンガに夢中になり、高校在学中には友人とともにさかんにマンガを描いていたようだ。卒業後、ニューヨークのアートスクール、SVAへ進学してアニメーションを学ぶが、やがてコミックアーティスト修行に専念するため中退。なお、彼女はあのCPM Mangaでインターンを務めた経験があるというから、マンガファンとしては筋金入りだといえるだろう。

1999年、友人たちとEstrigious Studioというグループを結成し、同年から翌年にかけて2冊のアンソロジーを制作する。2000年には自費出版を始め、「Someting Perfect」「Social Unrest」などといった作品を発表。このころの作風は、Meathaus系、とりわけFarel Dalrympleの影響を強く受けたオルタネイティヴ色の濃いものだった。「9-11 Vol.1」にも作品が収められているので、目にされた方も多いことだろう。そのほか、インディペンデント・フィルム「Super Trooper」にストーリーボードとアニメーションで参加したり、ロックバンドのためのチラシやグッズを制作したりしていたらしい。

こうして地道な活動を続けていた彼女だが、やがて転機が訪れる。WEBで公開していた作品が、ライター/アーティストのBrian Woodの目にとまったのだ。2003年、彼の原作による「Channel Zero: Jennie One」(Ait/PlanetLar)を発表。Beckyの名前が広く知られるようになったのは、このときだろう。続けて彼女は、“オリジナルNYX”こと「Demo」(同、2003-04年)の制作に共作者として参加する。この作品は全12話のリミテッドシリーズで、2004年10月現在、#10まで刊行されている。10代のミュータントの苦悩を扱った連作で、彼女の繊細かつ抑制の利いた感情表現がとてもいい。

「Demo」ではベッキーの画風にも変化が生じている。マンガ風の技法を大幅に取り入れたのだ。といっても、以前にWEBで公開されていた習作などを見ると、この志向と以前からのオルタネイティヴ的表現の間で、いまなお揺れていることがうかがえる。日本のマンガに親しんできたオルテネイティヴコミック・ファンである僕にとって、彼女がこの先どのような画風に変化していくかは、非常に興味深いところだ。

好きなものはパンクロック、映画(北野武や深作欣二のファンらしい。趣味悪いや(笑))、スシ。好きなコミックは「100 Bullets」「Stray Bullets」(クライム)、「Bipoler」「Pop Gun War」(オルタネイティヴ)、そして「エイリアン9」「バガボンド」「無限の住人」(マンガ)。現在は夫とともにペンシルヴァニア州アレンタウンに暮らし、コミックアートのほか各種イラストレーション、デザインワークを制作している。

参考リンク

Estrigious Studio: Becky!(オフィシャルサイト)
DeviantART: stabstabstab(ブログ)

Comicon.com Pulse: Topic/Becky Cloonan(インタビュー)
Comicon.com Pulse: Topic/Becky Cloonan(インタビュー)
Newsarama: Features/Becky Cloonan(インタビュー)


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(更新:2004.10.15)