バットマン レギュラー・シリーズ

Detective Comics
[デテクティヴ・コミックス]

#653(1992)
ハントレスとコンビを組んでテロリストの行方を追うバットマン。2人の関係は、このころから基本的に変っていないのね。
(2000.7.22)

#659(1993)
“ナイトフォール”第2話。病身に鞭打ってアーカム精神病院から脱出したヴィランたちを追うバットマン。ここでもスカーフェイスには笑わされる。
(2000.7.23)

#660(1993)
“ナイトフォール”第4話。ベインとキラークロックの戦いに巻き込まれるロビン。このころのロビンは、物語の構成上、現在よりもはるかに重要な役割を果たしていたようだ。
(2000.7.21)

#664(1993)
“ナイトフォール”第12話。ベインに敗れひん死の重傷を負ったバットマンを助けようと、アルフレッドとロビンが奔走する。スカーフェイスの自滅がおかしい。
(2000.7.23)

#665(1993)
“ナイトフォール”第16話。負傷したブルース・ウェインに代わり、ジャン・ポール・ヴァレーがバットマンになったころのお話。いまの内省的なアズラエルからはかけ離れた狼藉にちょっとビックリ。
(2000.7.9)

#666(1993)
“ナイトフォール”第18話。ベインとの決戦に挑むアズラエル=バットマン。
(2000.7.20)

#678(1994)
“ナイツエンド”パート3。聖ディマの霊になかば支配され、父の仇を追い求める新バットマン。その動きを探るため、バットケイヴに侵入するナイトウィングとロビン。そして、レディ・シヴァが課した苛烈な戦いをこなしていくブルース。内容は以前のパートとあまり変わらないんだけど、ナイトウィングの扱いがだんだん大きくなってきている。
(2002.6.27)

#677(1994)
“ナイツエンド”第9話。アズラエル=バットマンとナイトウィングの戦いが中心。巻末の手紙コーナーによると、アズラエル=バットマンは、当時の読者の間に少なからずあった“よりダークな”バットマンを求める声に対する、クリエイターたちからの回答だったらしい。心がけが違うなぁ。
(2000.7.19)

#725(1998)
“アフターショック”。瓦礫の山と化したゴッサムシティを目の当りにし、無力感に苛まれるバットマン。そんな彼に対し、ナイトウィングはある決意を告げる。チャック・ディクソンのダイアログの魅力を見直しました。
(2002.4.21)

#726(1998)
“アフターショック”。ある少女の失踪。バットマンはアーカム・アサイラムへ乗り込み、情報を握るジョーカーと対峙する。佳作だけど、いま読み返すと“ノーマンズランド”の終盤が思い浮かぶね。この作品の制作当時から、あの展開を予定していたのだろうか。
(2002.4.21)

#741(2000)
再読。“ノーマンズランド:エンドゲーム”パート3。まぁひどいお話ではある。けど、「ノーマンズランド」が希望をめぐる物語なのだとすれば、次の世代の命という普遍的な希望に何の価値も見出せない男をラストに持ってきたのも、わかるような気がする。
(2002.4.21)

#747
レニー・モントヤ刑事のもとに、誕生日を祝う花が届く。送り主はだれか?というお話。ノーマンズランドの後日譚で、当時の出来事を思い起こすと感慨深い。
(2000.6.28)

#747(2000)
再読。レニー・モントヤ刑事のもとに届けられた花束。それは、彼女の誕生日を祝うために、トゥーフェイスが獄中からある旧友に頼んで贈ったものだった。しみじみとしたいい人情噺。グレッグ・ルッカの本領はこのあたりにあると思う。
(2002.4.20)

#748
“アーバン・リニューアル”第1話。ノーマンズランド中の来し方を巡り、ゴッサムシティー市民の間に対立が生じる。それはやがてテロに発展し……という重いお話。いかにバットマンといえども、根本的な解決などできるのだろうか?
(2000.7.26)

#749
“アーバン・リニューアル”第2話。ゴッサム市民の間の対立と、それを隠れ蓑に利用した犯罪。ゴードン市警本部長の最後の言葉が印象的。
(2000.8.19)

#750
ラス・アル・グールの行方を追うバットマン。娘のタリアを訪ねたところ、ウィスパーが現れ……というお話。750号記念で普段より分量があるが、一気に読んだ。
(2000.9.25)

#751
“ア・ウォーク・イン・ザ・パーク”第1話。平和な光景を連想させる題名からは裏腹に、悲痛な物語。ノーマンズランドのあいだ震災孤児たちを保護していたポイズンアイヴィーに、市当局は公園からの退去を命じる。これに応じない場合は、強力な除草剤を子どもたちもろとも公園に散布するというのだ。はたしてバットマンは、このような事態を未然に防ぐことができるか。
(2000.10.20)

#752
“ア・ウォーク・イン・ザ・パーク”第2話。ボイズンアイヴィーの破滅を食い止めることができるのは、誰か。「ゴッサムナイツ」とは対照的に、こちらには感動した。矛盾を抱えながらも最善を尽くそうとする姿に、尊いものを感じる。
(2000.11.18)

#753
“バットマン・ダイズ”。最初にパラパラめくったときは一体何事かと思ったが、収容先の精神病院でトゥーフェイスが描いたという設定の、コミック内コミックだった。ヒーローがハービー・デント、ヒロインがレニー・モントーヤ刑事、戦闘員役がバットマン、そして悪の首領役がトゥーフェイス(正確にいえばワンフェイス)というねじれた設定で繰り広げられる、3流冒険活劇。すごくおもしろい。悪役がチベットの山中にたてこもるのは、定番なのだろうか。
(2001.1.4)

#754
“オフィサー・ダウン”第6話。狙撃事件の容疑者が明らかに。……えっ、これでヒキですか!? この無力さが、今回のストーリーラインのキモなのかも。(2001.2.3)

#755
ジェームズ・ゴードンの引退パーティに招かれるブルース。表紙を見るとトゥーフェイスがマシンガンを乱射しているが、中はむしろ静かに進行していく。これは、すばらしい作品ですよ。
(2001.3.10)

#755(2001)
再読。ジェームズ・ゴードン引退パーティのお話。やっぱりいいわぁ。彼はサシャに何をいいかけたんだろうね。いまは欧州を旅行中とのことだけど、ブルースに振りかかった疑惑についてどう思っているのだろうか。
(2002.4.20)

#756
「スーパーマン」#168からの続き。ルーサー大統領からクリプトナイトの指輪を奪うため、ホワイトハウスに潜入するバットマン。しかし、この動きを察知したスーパーマンは……。読み終えて、僕はすがすがしい気分になりました。ただし、絵にはだいぶ難あり。
(2001.3.31)

#757
バットマンとギャングのカーチェイスに、一般市民が巻き込まれる。はたして、バットマンは彼らを救うことができるか? 秀作。いうことなし。
(2001.5.1)

#758
次々と犯罪に手を染めていく、GCPD所属の警官たち。はたして、一連の事件の背後には何があるのか。ブルースのボディガードも絡んできて、スリリングな展開。バックアップの短編は、ジェームズ・ゴードンの後任、エイキンス市警本部長のお話。前回までの「ジャコビアン」とは違って、これならばデテクティブ誌に掲載されている意味がある。
(2001.5.21)

#759
警官たちを操るマッド・ハッターに一歩々々迫っていくバットマン。基本的にシリアスなんだけど、登場人物のやりとりにはとぼけたオカシサも感じる。けっこう狙ってるんじゃないですかね、グレッグ・ルッカは。バックアップの短編は「キャットウーマン」次シリーズの露払いとなるもの。テキストもアートもなかなか凝っていておもしろい。いままでとはガラっと違う作風だけど、前シリーズのファンの反応はどうなんだろ。まぁ、思いきって変えるのでなけれけば、インターバルを取る意味もないわけだけど。
(2001.6.21)

#760
“アンノウイング”完結編。最後の最後に大事件を起してアッサリ幕を引くのって、向こうのテレビドラマの手法ですね。バックアップのキャットウーマン探しは、出てくる男どもが全員ジャガイモみたいな顔つきでいい感じ。
(2001.7.22)

#761
彼のもとにとどまる条件として、ブルースはサシャに厳しいトレーニングを課す。そのころゴッサム市警では、マッドハッター事件の余波として、モントーヤ刑事らが内務調査にかけられていた。今回のお話は単なるつなぎといった感じ。この号を最後にデイヴ・ジョンソンがカバーアーティストから離れるようで、残念。
(2001.8.14)

#762
大きく分けて2つの流れがあるのですが。ジェームズ・ゴードン狙撃事件容疑者を巡るお話は、いかにも探偵ものらしいけど、バットマンはまるでからんでこない。ブルースのボディガードがバットマンの仲間になっていくお話は、なかなか先行きが見えず、ちょっとだれてきた感じ。感情移入の対象がわからないんだよね。やっぱりレニーとサシャなのか? キャットウーマンの行方を追うバックアップはおもしろかった。
(2001.9.30)

#763
“ラスト・ラフ”。ジョーカーライズされた女性をめぐって対立する、サシャとハントレス。バットマンの登場はわずか3コマ。グレッグ・ルッカ、自分の世界にまっしぐらって感じ。作品のデキは悪くないので、まぁいいんだけど。バックアップの短編は、人や物を探す能力を持つ女性のお話。なかなかいいです。
(2001.11.7)

#764
ブルースとサシャのさやあて(ちょっと違うか)、およびソウヤー刑事の登場。ちなみにこの新キャラクター、またしても女性です。今回、とりたてて大きな動きはないけど、緊張感漂ういいデキかと。バックアップのミニシリーズも快調。
(2001.11.30)

#765
本編はジェームズ・ゴードンの留守宅に押し入った物盗りをめぐるお話。悪くない。元市警本部長は欧州旅行中だそうです。併載の「ジョシー・マック」もなかなか。クリフ・チャンのていねいなアートが印象的。ジョン・マックレアのカバーもスマッシュヒット。“DC カヴァレッジ”のなかでも出色かと。
(2001.12.31)

#766
“ブルース・ウェイン:殺人者?”パート1。ウェイン邸で発生した殺人事件。事情聴取を受けるブルースとサシャ。しかし、秘密を守る必要がある彼らは、アリバイを主張することができなかった。ふむふむ。いつの間にかバラバラになっていたバット・スカッドの、再生の物語になるのだろうか。
(2002.1.28)

#767
“ブルース・ウェイン:殺人者?”パート8。ブルースとともにブラックゲイト刑務所に収監されたサシャの、心の動き。お約束の「チェーンヒート」展開があったりして、まぁ陳腐といえば陳腐なプロットではあるんだけど、そこはグレッグ・ルッカ。抑えた表現がいいです。バックアップの「ジョジー・マック」も好調。
(2002.2.27)

#768
“ピュアティ”パート1。人々を脅かす粗悪な麻薬の出所を探るバットマン。どうも、リアルな犯罪を扱うと類型的になってしまうなぁ。まぁ、麻薬うんぬんはお話の本筋ではなさそうなんだけど。「ジョシー・マック」はデテクティヴしてておもしろいです。
(2002.3.15)

#769
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート4/“ピュアティ”パート2。ジャンキーたちの命を次々と奪う粗悪な麻薬。その出所を追っていたバットマンは、いまは変わり果てたかつてのチャイニーズマフィアのボスと出会う……。この男のこと、僕はすっかり忘れていました。グレッグ・ルッカとしては、自分の任期が終わる前にかたをつけておきたかったのかね。「ジョジー・マック」は急展開。なかば予想できる(ようにしている)とはいえ、ラストはやはり衝撃。
(2002.4.17)

#770
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート8/“ピュアティ”パート3。率直にいって、本編はイマイチ。ゴッサムシティを脅かす粗悪な麻薬の流入、怪物に変わり果てたかつてのチャイニーズマフィア、事件に関心を示す国家機関。個々の要素はそれなりにおもしろそうなんだけど、うまく絡み合っていない。バックアップの“ジョシー・マック”はいよいよ佳境。この連載の終了後、独立したミニシリーズになる計画があるそうで、楽しみ。
(2002.5.17)

#771
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート12。といってもクロスオーヴァーの比重は低く、ゴッサムシティに蔓延する薬物禍との戦いが中心。怪物がいなくなったせいか、前の“ピュアティ”よりは話の密度が濃い。バックアップの“ジョシー・マック”はトゥーフェイスとの対決。こちらは相変わらず快調。いよいよラスト1周という感じ。
(2002.6.24)

#772
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート16。ブルースの逃亡により1人刑務所に残されたサシャの、揺れる胸中。拘置所と刑務所が分かれている日本と異なり、アメリカでは公判中から刑務所に収容されるらしいけど、このように受刑者とまったく同じ扱いをされるんですかね? バックアップの“ジョシー・マック”は最終回。あっさりした幕切れだけど、全体を通してみればおもしろかった。
(2002.7.7)

#773
“贖罪”パート1。ヴェスパー・フェアチャイルド殺人事件の真犯人が逮捕されたあとも、なお刑務所に留め置かれているサシャ。ブルースは彼女を助け出そうとするが……。まぁグレッグ・ルッカとしては当然語らなければならいことだろうけど、そもそもこの期におよんで彼女の収監が続いているということ自体、無理を感じるんだよね。一応、理由は説明されるけどさ。バックアップの「ザ・ハント」はなかなかいい。バットマンの基本設定をリファインしたものらしいんだけど、60年前に作られたキャラクター像がいまも色あせていないことには感心するしかない。
(2002.8.17)

#773
“贖罪”パート2。サシャの死に疑念を抱き、彼女を探し出そうとするバットマン。お話の行く末に興味がないわけではないけど、前回の感想と同じ理由で、なんだか乗れないんだよね。謎のヴィジランテを描くバックアップの「ハント」はおもしろくなりそうだけど。(2002.9.19)

#775
“贖罪”パート3。サシャの行方を追うバットマン。しかし彼女はチェックメイトの一員として新たな道を歩もうとしていた……。2年近くにおよんだグレッグ・ルッカ・ランの最終回。まぁ彼としてはこれ以外の結末などないだろうけど、甘いね。終盤のブルースの告白、問題発言だと思うなぁ。バックアップの「ハント」は、ミニシリーズ「バットマン・ファミリー」へのヒキとしていい感じ。
(2002.11.1)

#776
職務のためゴッサムシティを離れることを余儀なくされた囮捜査官と、街に残されたその父親をめぐるお話。並外れた身体を持つバットマンといえども力に限りのある人間であることを下敷きとした構成。地味だが、悪くない。バックアップの「胞子」は……悪くいえば場違いだけど、デテクティヴ誌の巻末はずっとシリアス路線が続いていたスペースなので、新鮮ではある。
(2002.11.24)

#777
“推測航法”パート1。キラーモスのコスチュームをまとった男が、射殺死体で発見される。現場から発見されたのは、傷のついたコイン。トゥーフェイスが評決を下すのに使うものとは異なり、このコインは両面を傷つけられていた……。こういう気が滅入るようなお話を書くと、エド・ブルベイカーは本当にいいね。バックアップのミニシリーズ“胞子”は、謎の宇宙生物によりミューテイトさせられたブルースのお話。独力でワクチンを作成するとは、すご過ぎ(笑)。
(2002.12.16)

#778
“推測航法”パート2。元ゴッサム市警本部長、ジェームズ・ゴードンを襲う暴漢。事件の跡には、先日発生した殺人の現場と同様、両面に傷のついたコインが置かれていた。つまらないわけではないけど、同じエド・ブルベイカーの「キャットウーマン」に比べるとやや落ちる。アーティストの違いだけだろうか? バックアップの“胞子”はおもしろい。お遊びといえばそれまでだけど、これ、“カタクリズム”級の大事件じゃないですか(笑)。
(2003.2.1 #68)

#779
“推測航法”パート3。キラーモス殺人事件(被害者は別人)に続き、ペンギンが襲撃される。一連の事件の背景を追ううちに、ブルースはある舞台俳優に行きつくのだった。このストーリーアークのバットマンは、探偵というより、観察者、記録者に近い感じ。これはこれでいいのかも。バックアップの“胞子”は、いよいよスーパーマンとの対決。すごすぎ、ハイパーインフレ大展開(笑)。
(2003.2.14 #99)

#780
“推測航法”パート4。モンスター役を得意としていた舞台俳優、ポール・スローン。自分の演技をより高めるため、彼は実在のモンスター(ゴッサムシティのヴィランたち)に接触を図る。そのころ、ジョーカーをはじめとするヴィランたちは、ある男の殺害を計画していた……。実はこれ、しみじみ系のお話じゃないかと思うんだけど、そのへんに絵(おもにインク)が合っていない感じ。バックアップの“胞子”は大団円。楽しませていただきました。
(2003.3.20 #170)

#781
“推測航法”パート5。ゴッサムシティのヴィランたちを次々と襲う元舞台俳優、ポール・スローン。何が彼を復讐の虜へ変えたのか? 事件の根底を探るため、バットマンは拘禁中のジョーカーを尋問するのだった。その結果明らかになる、むごたらしい真実とは……。この物語のバットマンは、まさにダーク・デテクティヴ。合間々々のバイオレスシーンが、やりきれなさを強調します。子どもに読ませたら、きっとトラウマになるね。
(2003.5.13 #266)

#782
元舞台俳優、ポール・スローン。悪漢たちの依頼に応じてトゥーフェイス役を演じたことで、彼は破滅に追いやられていたのだ。無益な復讐に走るスローンを、バットマンは止めようとするのだが……。“推測航法”最終話。プロットにいくつか穴があるものの、なかなか楽しめた。両面に傷のついたコインは、彼の絶望を表していたんだね。それだけに、スローンが人間性を失っていく様子には哀しいものがある。貸本劇画を思わせる、ひたすら陰惨で救いのない物語。
(2003.5.23 #289)

#784
初代グリーンランターン(現、センチネル)の彫像のもとに横たわる変死体。その身体には、当時のグリーンランターンの弱点が刻まれていた……。“木製”パート1。最近の「デテクティヴ」誌には地味な話が続いていたせいか、なんだか華やかに感じられます(笑)。今後の展開に期待。バックアップは待望の「ジョシー・マック」。なのはいいんだけど、“続きは「ゴッサム・セントラル」#9で”とのこと。うむむ。グレッグ・ルッカかぁ。
(2003.7.10 #389)

Batman
[バットマン]

#404-407(1987)
“イヤー・ワン”。日本語版は持っているが、フランク・ミラーのテキストを読んでみたくて購入した。はじめに感じたのが、印刷の違い。日本語版のほうが全体的にクリアだが、英語版は細かいところが目に入ってくる。オフセットと活版の差がこんなに大きいなんて。文章ではあまり違和感を感じなかった。舘野恒夫氏の翻訳は堅実な仕事だったんだなぁとあらためて思う。
(2000.8.9-11)

#412(1987)
街中の教会から鐘が盗まれるという、不可解な事件が発生する。その夜、1人のパントマイム俳優が現れ、路上で無言パフォーマンスを披露するのだった……。物音を嫌うヴィランという発想はユニークだけど、失敗作。花火師のもとで育ったため子どものころから耳を塞いでばかりいたなんて、真顔で説明されてもねぇ。
(2003.5.10 #259)

#495(1993)
“ナイトフォール”第7話。ポイズンアイヴィーとの戦いが中心。すでに疲労感を募らせつつあるブルースが痛々しい。
(2000.7.19)

#497(1993)
“ナイトフォール”第11話。ベインに敗北を喫し、背骨を折られるバットマン。当時の読者はショックを受けたんだろうなぁ。
(2000.7.19)

#499(1993)
“ナイトフォール”第17話。ベインの行方を追うアズラエル=バットマン。一方、中米へ向かうブルース・ウエインに思わぬ同行者が。このころのブルースはキャットウーマンの正体を知らないようだ。というか、ひょってして今も知らないの?
(2000.7.20)

#500(1993)
“ナイトフォール”第19話。アズラエル=バットマンが、ついにベインを倒す。後半を担当しているマイク・マンレイの絵がいい。
(2000.7.20)

#509(1994)
“ナイツエンド”パート1。復帰を決意し、レディ・シヴァに格闘技の教えを乞うブルース(ムチャな)。それに対して彼女は、罠に近い試練を彼に課すのだった。“ナイトフォール”の最終章にあたる物語。内容さておき、いま読み返すと強烈にパルプものっぽいね。
(2002.6.26)

#511(1994)
“ゼロ・アワー”第3話、なのかな?別世界のゴッサムシティが出現。そこではジェームズ・ゴードンが射殺され、ハーヴェイ・デントが市警本部長の職にあった……。う〜ん、続きが気になる。どこかで手に入るかなぁ。
(2000.7.9)

#526(1996)
そもそも両親の死というきわめて個人的な事件から出発したバットマンには、グループになじまない部分があるわけで。このあたりの構図は、現在進行中の“殺人者/逃亡者”と変わらない。昔のJ.H.ウィリアムズの絵もいいね〜。
(2002.3.5)

#587
“オフィサー・ダウン”第1話。ゴードン市警本部長が何者かに撃たれるまで。導入部ということもあり、淡々とした作り。
(2001.1.19)

#595(2001)
亡父にはマフィアとのつながりがあったのではないか? そんな疑惑にかられて捜査を開始したブルースに、やがてあるパーティの思い出が蘇る。“殺人者/逃亡者”でわからないことがあったので取り寄せたんだけど、なかなかいい。エド・ブルベイカーのライター就任までさかのぼって読んでみようかな。
(2002.4.28)

#596(2001)
“ラスト・ラフ”。マフィア間の抗争の拡大を防ぐため、ゼイスという刺客を追うバットマン。そのころ、ゴッサムシティの裏町を、ジョーカーライズされたサンタ・クラウスという男が徘徊していた……。おもしろい。リアルタイムに読んでおけばよかった。
(2002.5.5)

#597(2001)
交通事故の現場から偶然発見された死体。その身元を洗ううちに、バットマンはある男の影を感じ取る……。おもしろい。探偵もののシブさと、アクションヒーローものの派手さのバランスがいい感じ。
(2002.5.7)

#598(2001)
クリスマスを控えた夜。病院を抜け出したサンタ・クラウスが、彼独自の世直しを始める……。おもしろい。「デテクティヴ・コミックス」ばかりを読んでいたせいで、サシャにはグレッグ・ルッカのキャラクターというイメージを持っていたんだけど、この作品でのブルースと彼女のやりとりもなかなかいいね。
(2002.5.9)

#599
“ブルース・ウェイン:殺人者?”パート7。ブラックゲイト刑務所に収監されるブルース。アメリカでは拘置所と刑務所が分かれていないのかね。それはさておき作品は、悪い方へ悪い方へ転がっていく感じがなかなかいい。
(2002.2.22)

#600
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート1。取調べのため身柄を移される途中に逃走するブルース・ウェイン。潔白の証明につながるとは思えない唐突な振る舞いに、困惑させられるディックやティム、バーバラたち。説明を求める彼らに対し、ブルースは……。なかなか出口が見えないねぇ。心配になっちゃうよ。
(2002.3.12)

#601
ゴッサム市民に暴行を加え、生きたまま火を放つ残虐なシリアル・キラーの出現。“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート3/“ターニング・ザ・タウン・レッド”パート1。ブルースは一体何から逃げているのだろうか。捜査当局からか、それとも……。しかし、刑務所に取り残されたサシャはどうしているんだろうね。
(2002.4.12)

#602
“ターニング・ザ・タウン・レッド”パート2。地道な情報収集で犯人像を明らかにしていくバットマン(チャック・ディクソンならコンピュータを使うなりオラクルに命じるなりさせるだろう。どちらがいいというわけではないけど)。アクション面の見せ場もきちんとあり。バランスいいね。
(2002.5.16)

#603
“ブルース・ウェイン:逃亡者”パート11。ブルース・ウェインのアイデンティを捨て、ヴィジランテ活動に打ち込むバットマン。そんな彼のもとへ、レスリー・トンプキンス医師を通じてある人物がコンタクトを求めてくる。“ターニング・ポイント”というサブタイトルどおりの内容。少々甘いきらいはあるけど、シナリオ、アートともに上質。
(2002.6.10)

#604
自らと犯罪との関わりの原点であるクライム・アレィを訪れたバットマン。そこで彼が遭遇したのは、ジョーカーの手下がマフィアの幹部を拉致する現場だった。いまたまたま被害者的立場にあるとはいえ、このマフィアも犯罪者(しかも悪辣な)であることに間違いないはずだが……。バットマンのヒーロー像をシンプルに描いた佳作。ゲストにキャットウーマン。
(2002.7.7)

#605
“ブルース・ウェイン/逃亡者”パート18。「10セント・アドヴェンチャー」以来、半年あまりに渡った連作の最終話。“ナイトフォール”や“ノーマンズランド”に比べると、ヴィランの魅力に欠けるし、散漫な部分もあったけど、全体的にはおもしろかった。真犯人がブルースをなじるセリフのあたりに、この物語のキモがあったのだろう。
(2002.7.28)

#606
“デス・ウイッシュ・フォー・トゥー”(“死にたい2人”という感じかな)前編。ヴェスパー・フェアチャイルド殺害容疑で警察に拘束されたケイン。事件の背後にいるある人物は、彼の口を封じるため、刺客としてデスショットを送り込む。いまひとつの“殺人者/逃亡者”後日談。おもしろい。アクションシーンも上出来。
(2002.9.18)

#607
“デス・ウイッシュ・フォー・トゥー”後編。ケインを追い込むデッドショット。はたしてバットマンはケインを守りきることができるのだろうか。生きようとする意志などとうに失っている彼を……。勝手にやらせておけばいいじゃん、という気もするんだけど、そこはそれ人情家のブルースのことですから(本人にこんなこと言ったらイヤな顔するだろうなぁ)。見所、笑い所たっぷりの娯楽作です。
(2002.10.17)

#608
営利誘拐に走るキラークロック。事件の解決に乗り出したバットマンに、ある疑問がわき上がる。腕力にモノを言わせるタイプの彼に、これは似合わない行為だ……。ジェフ・ローブ/ジム・リーによる話題のストーリーアーク、“ハッシュ”チャプター1。お話のテンポが良く、なかなか楽しめる。実はジム・リーの作品をリアルタイムで読むのは初めてなんだけど、大御所であるにもかかわらず、よく研究しているなぁと好印象。
(2002.11.7)

#609
“ハッシュ”チャプター2。何者かにロープを切断され、地面に叩きつけられたバットマン。重傷を負い身動きできない彼を、クライム・アレーの住人たちが取り囲む。お話のテンポが軽快で、なかなか楽しめる。「バットマン」誌のナンバーが振られてはいるけど、「ロングハロウィン」などと同じ、半ば独立したマキシシリーズなのだろう(というか、そう解釈しないと若干違和感あり)。ハントレス様の御脚御開陳はひさしぶりッスね。
(2002.12.11)

#610
“ハッシュ”チャプター3。事件の真相をつかむため、キラークロックの独房を訪れるバットマン。しかし、彼の姿を見て怒り狂ったクロックは、防護ガラスを叩き割り、襲いかかってくるのだった。お話はさすがに手堅い。絵のほうは、よくもまぁここまで考えて描くものだと感心。何か革新的なものを求めるのでなければ、かなり楽しめると思います。
(2003.1.24 #47)

#611
“ハッシュ”チャプター4。ポイズン・アイヴィを追い、メトロポリスを訪れるブルース。ディリー・プラネット訪問、タリア・ヘッドとの面会といった所用をこなしながらも、彼の脳裏には、ある女性が思い浮かぶのだった。感想はこれまでの号と同じ。ほんの少し絵が荒れているけれども、気にするほどではない。
(2003.1.29 #61)

#612
“ハッシュ”第5章。ポイズンアイヴィーをとらえるためメトロポリスを訪れたバットマンとキャットウーマン。ところが、彼らの前にはアイヴィーに操られたスーパーマンが立ちはだかるのだった! ストーリーアークのひとつの節目にふさわしく、盛り上げてくれます(クラークが正気を取り戻すくだりは大笑い)。アルカイックな雰囲気のアートも、やや淡泊ですがいいんじゃないでしょうか。
(2003.3.16 #164)

#613
少年のころからの友人、トーマス・エリオット医師。彼の招待により、ブルースはオペラを鑑賞することになる。劇場の桟敷席には、ブルースとトーマスの共通の知人、レスリー・トンプキンス医師と、彼女の友人、セリーナ・カイル(キャットウーマン)がいた。やがて舞台の幕が上がると、そこにはハーリークィンの姿が!“ハッシュ”第6章。つまりジェフ・ローブ/ジム・リー両巨匠ランも半ばに達したわけ。そろそろ一連の事件とトーマスの関わりが気になるところだけど、今回の出来事はどういう意味を持つのだろうか。ジム・リー御大の描く、鼻を膨らませたハーリーがなかなか可愛い。
(2003.4.23 #232)

#614
クライム・アレーに横たわる、旧友、トーマス・エリオットの遺体。かたわらには薄ら笑いを浮かべるジョーカーの姿が。その光景を見たバットマンは、猛然とジョーカーに殴りかかるのだった……。“ハッシュ”第7章。えっ、 トーマス、マジ死亡!? すると事件の黒幕は誰なのだろう。海外での評価が低いのは、怒りに我を忘れる姿がバットマンらしくないということなのだろうね。確かにそのとおりだけど、これはあくまでも全12章のなかの1章なので、少し長い目で見てあげたいと思います。
(2003.5.19 #278)

#615
“ハッシュ”第8章。トーマス・エリオットの葬儀が営まれた日。あらためて一連の事件の捜査を再開しようとするブルースのもとへ、ディックが訪ねてくる。というわけで、“オリジナル・ダイナミック・デュオ”復活! 「娯楽作あります」という感じで、なかなかいい。ジム・リーのみずみずしさには感服。ディックの登場シーン(トーマスの遺体の映像と重なる形で現れる)なんか、一歩間違えるとイヤミになりかねない演出なんだけど、彼の絵がそれを防いでいると思う。
(2003.6.20 #343)

#616
“ハッシュ”第9章。一連の事件の背後で糸を引いているのは、ラス・アル・グールかもしれない。このことを確かめるための取り引き材料として、バットマンは彼の娘、タリア・ヘッドを拉致監禁するのだった(間違いなく犯罪だよ)。今回はストーリー、アートとも、さらっと流したような感じ。尺合わせなのかな? とはいえ、高いレベルはキープしています。
(2003.7.9 #386)

Batman: Legends of the Dark Knight
[レジェンズ・オブ・ダークナイト]

#62(1994)
“ナイツエンド”パート4。あらすじはパート2・3と基本的に変わらない(最後のほうで動きがあるけどね)。ブルースとジャン・ポールの暴走が見物。前の号でナイトウィングが“なぜ自分は呼ばれなかったんだろう”なんてボヤいていたけど、無理ないよ。この2人の過度の無邪気さに比べれば、ディックくんは至極普通の人だもん。
(2002.6.29)

#100(1997)
100号を記念し、ロビン中心のお話を2本収録。第1話はディック・グレイソンのオリジン、第2話はジェイソン・トッドの生涯のダイジェスト。いま読むと、ジェイソンのキャラクターはなかなかおもしろいね。作品自体のデキはどちらも平均的。
(2002.6.22)

#125(1999)
「クライ・フォー・ブラッド」のあと、急に読み返してみたくなった(ライターとペンシラーが同じ)。バットマンとゴードンの和解という“ノーマンズランド”でも最重要エピソードのひとつなのだが、クサさを感じさせない描写だ。
(2000.8.18)

#146
“バッド”第1部。ナチュラル・ボーン・ハルクみたいな青年のお話。時間の流れが交差する、凝った構成をとっている。
(2001.8.10)

#149
“グリム”第1部。バットマンの庇護のもとヒーローとして活躍し始めたディック・グレイソン。ある夜、街をパトロールしていた彼は、盗みを働いている魅力的な少女と出会う。今回はおもしろくなりそう。中盤のブルースとアルフレッドの会話が味わい深い。
(2002.1.20)

#150
“グリム”第2部。ゴッサムシティの地下に築かれた孤児たちの“夢の園”。ブルースのもとでの暮らしに馴染みきれないディックは、少しずつ彼らにひかれていく……。おもしろい。こういう比較的にストレートなデマティスもいいね。
(2002.1.22)

#151-3
“グリム”パート3〜5。孤児たちの楽園を築いたマザー・グリムと、ある少年を誘拐して虐待同然の行為を行うサイアナイド。まるで無関係に見える2人だが、実は悲しい過去を共有していた……。いい作品だね、これは。家族の喪失から出発しているブルースとディックに対し、家族の確執から逃れられないアリスとドロシー。道を踏み外してしまった彼女たちだけど、幸せを願わずにはいられない。
(2002.3.20-25)

#156
“ブリンク”パート1。身体が触れた他人の視覚を盗み見るという特異な能力を持つ盲人。この力を利用してちょっとした小遣い稼ぎを楽しむ彼だったが、ある日、幾人もの女性を手にかけた連続殺人鬼にさわってしまう……。「ダメージ・コントロール」やマイルストーン・メディアの諸作品を生んだドウェイン・マクダフィーの原作。どおりで、キャラクターの造型がいいはずだ。
(2002.7.15)

#157
“ブリンク”パート2。他人の視覚を借りることができる男をめぐるお話。彼が目撃した殺人事件は、スナッフ・フィルム(殺人映画)の制作と関わるものだった。おもしろい。前回の感想でも書いたけど、ドウェイン・マクダフィーのキャラクターづくりがいいね。
(2002.7.29)

#158
“ブリンク”最終話。他人の視覚を借りるという、特異な力を持つ盲人。彼が目撃した殺人事件は、スナッフ・フィルムと関わるものだった……というのが、前回までのあらすじ。考えてみれば、スナッフ・フィルムも“他人の視線を借りるもの”だよね。そうすると、主人公の盲人と悪人たちを同列に並べたうえで、比較しているわけだ。
(2002.9.15)

#159-161(2002)
“ロイアリティズ”パート1〜3。バットマンの誕生から1年ほど経過したころ。ジェームズ・ゴードン警部が何者かに拉致される。その背景には、警部の前任地、シカゴでの出来事が絡んでいた。友人を救うため、ブルースはアルフレッドとともにシカゴへ赴く。ジョン・オストランダ/デイヴィッド・ロペスという魅力的な組み合わせによる、佳作。カバーアートからはアクションもののような印象を受けるけれど、実際にはデテクティヴ色が濃い。少女時代のバーバラが出演するので、ファンは要チェック。
(2003.2.19 #115-17)

#162-163
“映画監督”パート1〜2。単なるアブナイヤツとして見らることに、強い不満を抱くジョーカー。世間に自分の真の姿を知らしめるため、映画制作に乗り出すのだが……。主人公はこのために拉致された往年の名喜劇俳優。小心者がキレるお話、ジョン・アーキュディは好きだね。
(2003.3.8 #150-51)

#164
“ドント・ブリンク”パート1。他人の視点を借りることができる男、リー・ハイランド。ある事件をきっかけに、バットマンは彼の失踪を知るのだった。捜索を始めると同時に、なぜか連邦政府の人間とおぼしき者が現れ……。#156〜58に掲載された“ブリンク”の後日談。LODN誌で続編が制作されるのは珍しい。よほど前作が好評だったのだろう。といっても単なる焼き直しではない、新しい展開を見せてくれそうなので楽しみ。
(2003.3.26 #185)

#165
“ドント・ブリンク”パート2。政府機関により軟禁状態に置かれていた特殊能力者、リー・ハイランド。バットマンの奮闘により、彼はようやく解放される。ゴッサムシティへ戻ったあと、リーはバットマンが進めていた児童人身売買事件の捜査に協力することになるのだった。期待通りのおもしろさ。ギャングばかりではなく政府機関まで敵に回し、どのように戦うのだろうか。ところどころのユーモアも楽しい。
(2003.4.9 #209)

#166
“ドント・ブリンク”パート3。バットマンが捜査していた児童人身売買事件は、組織の男がボスを殺害するという意外な展開を迎える。ボスの娘を連れて逃げた男を追い、バットマンは下水道へ降り立つのだった。快調々々。ところどころのユーモアも効果的。
(2003.5.1 #245)

#168
ビルから墜落し、地面に叩きつけられたバットマン。激しいショックのため、彼の記憶には一時的な混乱が生じているようだった……。ビル・ウィリンガム(フェイブルス)の原作によるワンショット。いいデキです。オチは最初の数ページで割れてしまうのですが、巧みな語り口で最後までドキドキさせてくれます。
(2003.7.4 #379)

Batman: Shadow of the Bat
[シャドウ・オブ・バット]

#29(1994)
“ナイツエンド”パート2。聖デュマの霊に責め立てられ暴走する新バットマン。彼との対決に備え、自らを厳しく鍛錬するブルース。そりゃあいま見ると古い部分はあるけど、パルプもの直系のはったりの連続が楽しい。しかし、このころのバットマンには女っ気がないね。グレッグ・ルッカという人は、近年のバットマンのなかでは異質のライターなのかもしれない。
(2002.6.26)

#42(1995)
あるロックバンドのローディの死。それはバンドの内紛に端を発する復讐劇の始まりだった……。プログラムピクチャーの良さというか、傑作選に収録されることはないかもしれないけれど、こういうのもあってほしいよね。リアム・シャープのロビンが毅然としていていいです。
(2003.1.12 #16)

Batman Chronicles
[バットマン・クロニクルス]

#9(1997)
短編3本を収録。1本めはロビンとバットガールの初顔合わせを描いたデヴィン・グレイソン/ダンカン・フェグレード組の作品。少しぽっちゃりとしたバットガールがかわいい。2本めはチャック・ディクソン/ドウェイン・ターナー組らしい、肩の凝らない娯楽作。銀行に押し入り人質を取ってたてこもるミスター・フリーズ。氷漬けになった人質を、ダイナミック・デュオは無事に救出できるか? そして3本めはアンディ・ヘルファー/カリー・ハマー/ロバート・カンパネッラという組み合わせ。アーカム精神病院に収容中のポイズン・アイヴィが引き起こす、ある騒動。彼女の可憐さが印象に残る。
(2003.1.14 #22)

Batman: Gotham Knights
[ゴッサムナイツ]

#6
銀行の貸金庫から持ち出されたある書類をめぐるお話。本編もまあまあおもしろかったが、オマケに登場するチェシャバットに大笑い。このジョン・ポール・レオンのアートはすばらしいと思う。
(2000.6.30)

#7
今回の焦点はアルフレッドとレスリー・トンプキンス。キャラクターに人間味を持たせようとしているのだろうけど、ソープオペラみたいな気も。
(2000.7.27)

#8
本編はいまひとつさえない。バックアップの短編のほうが、バットマンらしいどん詰まり感が濃厚で、いい感じ。
(2000.8.29)

#9
感想は前号とほとんど同じで、本編はいまひとつ。最後のほうの展開って、同じような場面がずいぶん前にあったような気が。しかも、もっとドラマチックな状況で。バックアップはゴールデンエイジ期のバットマンの活躍。冒頭の“ヒトラー、ムッソリーニ、ヒロヒト”という名前の並びを見て、あらためて歴史の長さに感心した。口紅に気づかないバットマンがカワイイ。
(2000.10.13)

#10
ヒューゴ・ストレンジ編の3回目。ブルースの消息を追うナイトウィングがメイン。僕の期待の方向が合わないのか、どうもお話に乗ることができない。
(2000.11.18)

#11
ヒューゴ・ストレンジ編最終話。どうなんだろう。僕は完全にしらけてしまいましたが。好意的に読みたくても、お話に穴があり過ぎ。カイル・ベイカーのバックアップが唯一の救い。
(2000.11.25)

#12
本編はバーバラの活躍を描いた作品だが、残念なことに、どうにもならないデキ。デイヴ・ギボンズのバックアップは、趣味がよく楽しめる。追記:そういえば、この号は連作“バットマン・ダイズ”の1つになるはずだったのでは? 何らかの事情で急遽差し替えとか?
(2001.1.22)

#13
“オフィサー・ダウン”最終話。まさか、こういう展開になるとは。いまちょっと混乱していて、感想は書けません。
(2001.2.4)

#14
ウェイン・エンタープライゼスから証券を盗み出したダブル・デアを追うナイトウィング。そこにアズラエルが現れ……というお話。久し振りにおもしろいと思った。そういえば、この2人が互いに複雑な感情を抱いているのももっともだ。バックアップの短編はハーリークィンとポイズンアイヴィのキス合戦。こちらは文句なく楽しい。
(2001.3.12)

#15
アーカム精神病院から脱走したポイズンアイヴィを追うバットマンとロビンのデュオ。先月の「ロビン」で生じた2人の間の溝がひとまず埋められ、ホッというところ。ブライアン・ボーランドのカバーはいつにも増してすばらしいデキ。
(2001.4.5)

#16
全身をタトゥーで覆われた青年。彼はいう。不死の身である自分ならば、バットマン亡きあと、未来永劫に渡ってゴッサムシティを守ることができると。2部作の第1部なのでこれだけでは判断できないが、そこそこおもしろくはなりそう。バックアップの短編は、バットマンとスケアクロウの対決。エンリケ・ブレシアの名前は不勉強にして初めて聞いたんだけど、すばらしい絵だね。
(2001.5.7)

#17
この人(デヴィン・グレイソン)、芝居がかってるんだよね。うまくお話が流れているときは、それが効果的だったりするんだけど、今回のようにポイントを絞り込めていない場合は、力みが空回りしてしまう。しかし、この届け出って、ジェームズ・ゴードンの引退と並ぶ今年の大事件ですよね。
(2001.6.12)

#18
本編は“ときにはこんな夜もある”というお話。シークレット・ファイルに載るほうがふさわしいような気もするけど、悪くはない。バックアップの短編は悪い冗談を楽しめる佳作。
(2001.6.28)

#19
今回の原作はチャック・ディクソン(カバーのクレジット表記はまるでデタラメ)。コウモリの影に怯え、自滅していくチンピラのお話。普通のデキかと。このタイトル、創刊当時に比べ、最近はコンセプトがあいまいになってきたような。例によってバックアップの短編は質が高いのだけど。
(2001.7.30)

#20
スーパーマンのゲスト出演はあるものの、物語の本筋はブルースとディックの幸楽的葛藤。さしずめ、バットマンが赤木春恵、ナイトウィングが泉ピン子、ロビンがえなりかずきか。おおっ、おもしろそうじゃん。
(2001.8.24)

#21
ディックの祖父を自称する老人の登場。はたして、この出来事には何らかのウラがあるのか?という本編は最初からあまり期待していないのでまぁいいんだけど、今号はバックアップの短編もイマイチ。
(2001.10.10)

#22
“ラスト・ラフ”。ジョーカーライズされたゴキブリの群れ(!)に立ち向かう、バットマンとスポイラー。他愛ないお話だが、なかなかおもしろい。同時収録の短編はジェイソン・ピアソンのドライブ感あふれるアートがいい感じ。
(2001.11.9)

#23
講演会を利用してアーカムからの逃走を試みるスケアクロウ。彼を捕らえようとしたバットマンは、少量の恐怖ガスを吸ってしまう。おもしろい。井戸端会議から重要情報を拾ってどうするとか、アクションシーンの構成が平板だとか、いくつか気になる点はあるけど目をつぶっていい範囲。バックアップの短編、珍しく本編とネタがかぶってるね。
(2002.1.5)

#24
信頼できる人間をまた1人失った孤独感から、銃への誘惑に駆られるブルース。おもしろくないこともないんだけど、もう少し芯のある表現はできないものか。バックアップの短編はトッド・デザーゴ/マイク・ウィーリンゴ組。都市伝説としてのバットマンを描いたものだけど、まぁ平均レベル。
(2002.1.6)

#25
“ブルース・ウェイン:殺人者?”パート4。殺人容疑で起訴されるブルース。弁護士は保釈を請求するが……。ブルースのかたくなな態度が今後の展開にどうつながっていくのか、興味深い。バックアップの短編はアラン・デイヴィスのすばらしいアートを堪能できる。
(2002.2.1)

#26
“ブルース・ウェイン:殺人者?”パート10。ディックとティム、およびアルフレッドとレスリーの会話。なんとももどかしい展開だが、必要なのはわかるのでガマン。バックアップのアーティストはクリス・バチャロ。ヴァーティゴ×マンガといった感じで、いいです。
(2002.3.1)

#27
ゲストにスーパーマンを迎えた一篇。ふと思ったんだけど、彼がブルース・ウェインを捨て去る決心をしたのは、ヴェスパーの死に責任を感じているからかも知れない。バックアップの短編は、今回わりと平凡。
(2002.3.26)

#28
“ブルース・ウェイン/逃亡者”パート7ならびに“アンティヒーロー”パート1。チャイナタウンの路上で発見された射殺死体。凶器に残された指紋から容疑者が浮かび上がるが、奇妙なことに、その男は1カ月近く前に死亡していた……。あれ〜、なぜか既視感が。バアックアップの短編は、投身自殺を企てる男とバットマンとのやり取り。終盤の演出がちょっとおもしろい。
(2002.5.2)

#29
“葬儀屋”パート2(前回のサブタイトルは間違い?)。ゴッサムシティに出没するゾンビの群れ。彼らを生んだ男には、ある秘められた目的があった……。アートは雰囲気十分。けど、ホラーというジャンルではいま多くの作家がアイデアを競っているわけで、この程度のストーリーじゃな〜。バックアップの短編は、ブルースに脱出術を授けたサーカス芸人のお話。平均レベルのデキだけど、本編よりは楽しめる。
(2002.6.3)

#30
“ブルース・ウェイン/逃亡者”パート13。突然ブリュードヘヴンに現れ、犯罪者に非情な制裁を加えるアズラエル。その高圧的な態度は、彼がバットマンを引き継いだころを彷彿させるものだった……。「アズラエル」は読んでいないんだけど、たいへんなことになっているみたいだね。バックアップの短編はデアデヴィルでおなじみのロブ・ヘインズのアクションが楽しい。
(2002.6.25)

#31
“ブルース・ウェイン/逃亡者”パート17。さすがのブライアン・ボーランドも、今回はカバーのネタ選びに困ったんじゃないですかね。それほどつまらないお話じゃないんだけど(むしろ重要なエピソード)、ビジュアル面の魅力に乏しいのは、マンガの脚本として問題だと思う。
(2002.7.28)

#32
よく一日駅長とか一日署長とかあるじゃないですか。もしも一日バットマンなんつうのがあったら、その大変さは24時間テレビの100kmマラソンどころじゃないっすね。バックアップの短編ではマイケル・カルタのアートを久し振りに楽しめます。
(2002.8.30)

#33
“デヴィル・ユー・ノウ”プロローグ。深夜ウェイン邸を訪れるベイン。はたして、その目的は? 某所で結末を聞いていたにもかかわらず、気を持たせる展開にヤキモキ。バックアップの短編はダーウィン・クック/ビル・レイという、コミックとアニメの両方で活躍している2人の作品。バットマンの巨大な彫像をめぐるお話で、なかなかよくできています。
(2002.10.10)

#34
“タブラ・ラサ”パート1。ウェイン邸へ居ついたベインに複雑な思いを抱くバット・スクワッドの面々。そのころゴッサムシティでは、ある女性が自分に暴行を加えた連中への復讐を進めていた。“新ダイナミック・デュオ”などとカバーに打っていることからも一種の冗談だということはわかるけど、奇妙なお話という印象。バックアップの短編は一種の怪談。この連作のなかでは平均的なできばえだけど、悪くない。
(2002.11.6)

#35
“タブラ・ラサ”パート2。自分を暴行した男たちに復讐するタトゥアーティスト。事件を捜査するバット・スカッドのなかに、見慣れない覆面の巨漢がいた。かなりおかしいんですけど。冒頭、昔の仲間をサメのエサにするシーンからして、あんたはカリブの海賊かい?という感じ。みなさんはマジメに読んでますか? バックアップの短編はブライアン・アッザレッロ/ジム・マーフッドといういい組み合わせ。若干マンネリ気味のこの枠のなかでは、よくやっているほうだと思う。
(2002.12.10)

#36
“タブラ・ラサ”パート3。タトゥーアーティストの復讐劇とベインの出生にまつわる疑惑に、一応の決着が。やや物足りない結末だけど、スコット・ビーティのリードパンチとしてはいいんじゃないでしょうか。彼とデヴィン・グレイソンの方向性の違いもなんとなくわかったし。バックアップの短編は、制作サイドも重々承知のようだけど、完全にマンネリ。企画から練り直さないといかんね。
(2002.12.23)

#37
甚大な被害をもたらす爆弾テロの予告。バットマンのチームから外されかけているスポイラーは、自身の地位回復のためにも事件を解決しようとするのだが……。なんだか、ブルースの性格の悪さだけが印象に残るなぁ(苦笑)。プロットに走りすぎでは? バックアップの短編はストーリー、アートともいいデキ。笑えます。
(2003.2.5 #79)

#38
“ナイト・ムーヴス”パート1。新たな手駒を求め、ハントレスを拉致するチェックメイト。ヘレーナを屈服させるため、チェックメイトはマッド・ハッターとスケアクロウに彼女の内面を探らせる……。という表のお話に、ブルースとアルフレッドの軋轢という裏の流れがからんでくるんだけど、いまひとつ整理されていないというか、拾い集めた薪の束という印象。バックアップの短編はアン・ノセンティ/ジョン・ボルトンというファンには嬉しい組み合わせ。そうでない読者は「ポカ〜ン」という感じかもしれないけど、この場所だったら許されるでしょう。
(2003.3.4 #140)

#39
“ナイト・ムーヴス”パート2。チェックメイトによる拘束から決死の脱出を試みるハントレス。いったん自由を得る彼女だったが、組織の眼は随所に光っていた。一方、ウェイン邸では留守を預かるアルフレッドの身に異変が起きていた……。どうなんでしょうねぇ。僕はお話のためのお話という気がしてしまうんですが。バックアップの短編はバットマンとある老婦人との交流。ショーン・フィリプスによる執念の網掛け(スクリーントーン?)が見物。
(2003.4.8 #207)

#40
“ナイト・ムーヴス”最終話。チェックメイトから逃れたハントレス。しかし、その身体には事前に発信機が埋め込まれていた。彼女を保護したバットマンのもとへ、武装したチェックメイトの一団が迫るのだった……。いくら体調不良に苦しんでいるとはいえ、アルフレッドの言動は彼らしくないような。お話自体はそこそこおもしろいのですが。バックアップは、バットマンの影に怯える泥棒のお話。良くも悪くも、ブラック&ホワイトなり。
(2003.5.15 #273)


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